カジカガエルの保護・研究活動

トップページにもどる

学校の前を流れる清流「猪目川」には、きれいな水のところにしか住まない「カジカガエル」がいます。このカジカガエルは、毎年春から夏にかけて、まるで鳥のようなきれいな声で鳴きます。猪目分校では、このカジカガエルを守るため、昭和62年から観察・飼育・放流活動を続けてきました。またカジカガエルの特徴や生態についても毎年研究を続けてきました。このカジカガエルの保護・研究活動は猪目分校の特色あるふるさと学習として長い間先輩から後輩へと受け継がれてきました。

  カジカガエルの鳴き声…左の写真をクリックすると鳴き声を聞くことができます(auファイル)


カジカガエルを通した環境学習の取組「カジカちゃんの家・猪目川を守ろう!」

 ①観察活動 
  1学期の間、8時と13時の1日2回、分校前の猪目川に生息しているカジカガエルの観察を、全校児童で行った。昭和62年に記録を取り始めてから、毎年続けてきた。観察の範囲は校門前から上流と下流約200m間で、天気、気温、 湿度、猪目川の水温・川幅・水深、カジカガエルの雌雄別の出現数や出現場所を調べ、記録ノートに記入した。カジカガエルの出現数は年々変化した。子ども達は過去のデータと比較したり、専門家の意見を聞いたりしながら、出現数と環境との関わりについて探っていった。
 ②飼育活動
  観察中につがいのカジカガエルや卵もちのメスガエルを見つけると水網で捕獲し、分校の水槽に移しておく。その後、卵から子ガエルになるまでの 飼育活動を行っている。
  エサやりや水替えなど毎日の飼育活動は時間がかかり、苦労も多かったが、日々成長していくオタマジャクシの姿を目の当たりにし、児童は意欲と責任をもって活動に取り組んだ。児童たちは生物の生命の尊さを見つめ直すことができた。 
 ③放流活動
 オタマジャクシから1cm程度の子ガエルまで成長すると、猪目川への放流を行った。例年7月ごろに、「大きくなって また帰ってきてね。」など、児童たちは1匹ずつに声をかけながら放流を行った。これまでの研究の成果を活かし、子ガエルの好きな浅瀬や草むらの近くを選びながら慎重に放流活動を行った。
 
 ④テーマ研究
  日々の観察・飼育活動の中で見つけた疑問や詳しく調べてみたいことから、児童一人一人が学年に応じて研究テーマを決め、総合的な学習の時間や生活科の時間を使って、カジカガエルに関する研究を行った。これらの研究は、研究論文を作成し科学作品展に出品した。その後、校内で発表会を開いてお互いの研究を紹介し合うことで、児童たちはその共通点や相違点を見い出しながら、カジカガエルの生態や環境とのつながりに目を向けることができた
 
 ⑤クリーン活動
 カジカガエルの住む環境を守ろうと、親子川掃除、全校川掃除、海岸道路清掃などを行った。保護者、地域の方々がたくさん参加してくださる海岸道路清掃では、一緒にごみを拾う活動とともに、児童たちの感想発表等を通して地域の環境保全を呼びかけた。
 
 ⑥自然教室
  専門の講師の方にご来校いただき、野鳥観察会、昆虫教室、水辺の教室を毎年実施した。猪目の素晴らしい自然を直接体験するこ とを通して、ふるさとへの愛着を深めることができた。
 水辺の教室では、猪目川の水質調査や水生昆虫採集を行い、その結果から川の現在の状況を捉えることができた。猪目川では水質階級Ⅰ(きれいな水)を示すものが多く発見され、児童はこの結果に安心しながらも、これからもきれいな川の環境をつくっていかなければならないと感じていた。
 ⑦交流・発信活動
  交流活動として、カジカガエル研究を通じて交流のある広島の府中エコクラブ、仁摩草木原地区や宇波地区の方々にカジカガエルの保護活動や飼育方法などを紹介し、情報交換を行った。こうした交流を通して、児童は環境保全に対する視野を広げるとともに、自分たちも猪目の自然を守っていくリーダー的な存在であるんだという強い意識をもつことができた。
 
 ⑧研究冊子カジカガエルと猪目分校の子どもたち(Ⅰ~Ⅴ)
 平成10年以降の子ども達のカジカガエル研究を約3年ごとに冊子にまとめ、第Ⅰ巻から第5巻までを作成した。冊子は指導していただいた方々や猪目地区の各家庭にも配り、学習の成果や環境保護への思いを伝えた。
この冊子は現在鰐淵小学校に保管されている。